この記事は『エロい本棚アドベントカレンダー2022』の19日目です。

人は旅をする生き物だ。

人類はいまでこそ定住しているが、それ以前は数百万年ものあいだ移動生活をしていた。現代人に旅行を趣味とする人々がいたり、ひとつところに留まると次第に飽きが来てしまう人々がいるのは、このころの生活で満たされていた好奇心などを満たそうとする、本能的な心の働きなのかもしれない。

そしてまた、人は物語を生きる生き物でもある。かつての移動生活においては、人々は口伝で伝えられる物語を常に携帯していた。しかし現代人は、記憶の中に限定的な物語しか持たない。

それゆえに、旅に物語を持ち歩くのだ。本という形で。

旅の道連れをどう選ぶか

前置きはこれぐらいにしよう。この記事では、旅行に同行する本をどういう基準で選ぶかについての話をする。まずは以下の、実際に筆者が選んだ4冊の本を見てほしい。

高橋源一郎の飛ぶ教室 はじまりのことば

暗号解読 下

勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版

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