まえがき

この記事は「夢小説 Advent Calender 2023」の3日目です。

夢小説 Advent Calendar 2023 - Adventar

1日目の記事『夢小説ってなに?』では、夢小説を「自分でも読みたいし、人にも読んでもらいたいから書いている」という話をしました。今回は「どうやって人に読んでもらうのか」という話です。

誰が読むの?

「著者が登場する小説なんて自分以外に誰が読むの?」というのは当然の疑問だと思います。書いたからには誰かに読んでもらいたい。もちろん世の中には「自分だけが読めばそれでいい」というタイプの文章表現もありますが、1日目の記事に書いた通り、私の場合は自分で読むだけでなく、人に読んでもらわなければそもそも表現として成立しません。必ず誰かに読んでもらう必要があります。

コミュニティをつくる

「誰かに読んでもらいたい」。同じように考えている人はいますし、私の場合もいました。さらに運が良いことに、私の場合は夢小説に限らない夢厨(推しのことを好きになって、推しのために何かしようとする人)としての活動の先輩たちが周囲にいました。

私自身は長らく半端な夢厨であって、現在のような有様ではなかった自覚があるのですが、彼らと付かず離れずで長年仲良くしてもらっていたのもあり、自然と夢厨活動を開始することができました。たとえばTRPGとかサバゲーとかを真剣にやってる仲間がいて、自分もあとから本格的にやりたくなったから「いーれーて」と言って入っていった、という感じです。

そこで私の場合は、気の合う仲間たちと夢小説を互いに読ませ合っているのです。「正気か?」と思われるかもしれませんが、紛れもない事実です。

コミュニティの特徴:顔見知りがいる

しかも、私たちの多くは顔見知り同士です。というかもはやコミュニティ内にはほとんど顔見知りしかいない状況になっています。当然ながら互いの顔や声、口調や体格などを知っているので、その人の書いた夢小説を読む際により想像しやすくなりますし、それがよりその人らしいかどうか判断することができます。これが初日の記事に書いた。「しっかり今とつながっていると思える」の条件を満たすための工夫のひとつであり、そのために顔見知り同士であることが大きなメリットになると言えるのです。

コミュニティの特徴:欲を出せる

私のいるコミュニティは一般に公開されておらず閉じているので、ある程度公にはしづらい話をすることもできます。そのため、自ずと(?)欲望もさらけ出してしまいますし、夢小説の内容にもそれが反映されています。「欲望」には、R18的なものも含まれています。私たちは顔見知り同士のリアルなエロ小説を読ませあっています。正気か? ド正気です。

これはエロに限らない話ですが、このタイプの夢小説は自分が相手とやりたいことや相手にやられたいことを書くことになるので、「自分って意外とこんな欲望を抱えて生きてるんだ」という発見にもつながります。そういう自分の一面は、発見された瞬間に新たに芽生えるものではなく、もともと自分の中にあるものです。それを見つけてあげることで自己を知り、より良い自己実現につなげることができます(このあたりの詳細はまた別の日に書くと思います)。

コミュニティの特徴:感想の熱量が高い

仲間内で読んでくれる人からもらえる感想は、熱意がこもっているというかアツい内容のものが多いですし、自分もそういう感想を言いがちです。自分が感想を言うとき、そこにはいわゆる産みの苦しみや、他人に見せる恥ずかしさなど、読ませるに至るまでに著者のなかにあるいくつかのハードルを知っているということが強く働いています。まず書いて読ませてくれたことに対する感謝が前提にあり、ありがとうの気持ちで感想を述べているのでアツくなりがちです。

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