まえがき

この記事は「夢小説 Advent Calender 2023」の25日目だよ。

夢小説 Advent Calendar 2023 - Adventar

さて、今日は人の夢小説を書くことについて書くよ。

そもそも人の夢小説は書けるのか

書ける。なぜなら書いたから。2本書いたから2倍書ける(?)。

書き方は自分の夢小説を書くのとあまり違いがない。大きな違いは当然、そこにいるのが自分なのか、他人(※1)なのかということではある。しかしながら、よりそれっぽく、現実のことであるかのようにするために意識する点で違いはないし、同じ仕組みに乗せることで書くことはできる。

ただ、やっぱり乗り越えるべきハードルとして一番大きいのもまた「自分ではない」ことだと思う。

以前の記事にも書いたとおり、自分とは象徴的には虚無としてしか捉えることができない。現実的なものとしての自分に、象徴界から直接触れることはできない。だから自分について書くことも、同じように象徴的には虚無でしかない他人について書くことも、本質的には同じだと言える(※3)。

とはいっても、自分がしそうなこと言いそうなことについて考えるのと、他人がしそうなこと言いそうなことについて考えるのとでは、やはり難易度が違う。後者のほうが、自分が他人そのものでないだけ難しい。

他人を自分の中に「召喚」する

難しい難しいと言っているだけで何も方法を示さないのでは不誠実かもしれないので、自己流の方法について紹介する。それは、他人を自分の中に「召喚」することだ。もっと耳馴染みのある表現でいえば、「頭のなかで勝手に動くようにする」。

そのためには会話をする必要もあれば顔を見たり服装を見たり好きなものや嫌いなものについて知ったり、ありとあらゆる方法で対象を観察する必要がある。とはいえ、逆に言えば観察をずっとやっていればいい。繰り返しているうちに、おのずと頭の中で動くようになっている。動いてくれないとしたら観察不足なので、もう一度飲みに誘ってみよう。

自分と他人は別の人間だ。ただ、「人間」という点は共通している。育った国や文化が同じなら、バックボーンもある程度共通している。でも、異なる点もたくさんある。そういう凸凹を詳細に調べ上げ(書き留めたりする必要は必ずしもない)、まるで自分が話すかのようにその人として話ができ、振る舞うことができる状態がベストだ。結果として、自分はもちろん、対象自身ですら思ってもみない、それでいてものすごくその人っぽい行動を思い描くことができるようになる(※2)。

実例

実例と言いつつ具体的な文章は出せないんだけど、2本それぞれをどうやって書いたかを振り返ってみる。2本ともに共通しているのは、仲間内の1人(以下『他夢厨』)と、その仲間内で流行っているスマホゲーのキャラクターの1人とのCPものとして書かれたということだ。

1本目

1本目の作品は、他夢厨の書いた別のSSの続き物として書いた。もともとその他夢厨のSSを書きたいなという欲求が自分のなかにあり、そのための題材として本人の書いたSSを選んだ。

つまり、登場人物はこう。

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